彼の行動は早かった。

 本家の一室から、普段彼が住んでいるマンションに引っ越すことになった。
 これからは同棲生活を送ることになるらしい。

 彼が早速彼のお父上とお母上に報告をした。
 大変喜んでいたらしい。
 明日に改まって怜と私でご両親に報告に行くと怜は言っていた。









 「なあ、カロッサ」

 引っ越しが終わり、彼が住んでいるマンションの一室のリビングで、灰色のソファに座って寛いでいた私に話しかける怜。

 「どうしたの、怜」

 私の横に座る怜。

 「今夜、パーティがある」

 「あら、参加するの?またまた珍しいじゃない」

 「ああ、そのパーティの主催者は古賀コーポレーションの総帥だ」

 「こが……古賀優作(ゆうさく)様ね?二十二になる娘がいるお方ね」

 「よく覚えてるな。そうだ、その古賀だ」

 「それがどうかしたの?」

 「そのパーティの趣旨が問題なんだ」