『先輩が好きだからです』


「はぁ……」


あの日、伊吹君が実は悪魔だったと知った。

あの日、伊吹君が私を好きだというとこを知った。

告白されたのは初めてじゃない。

でもあの伊吹君だよ?

「理解不能だよぉ〜!」


部室でひとり、ほうきを吐きながら頭をかかえる。

ちなみに沙羅ちゃんは外で洗濯。

他のマネージャーは外で応援。

つまり部室には私1人。


「うぅ…。伊吹君のバカァ……」

「……俺のせいにしないで下さいよ」

「うわぁ!」

気がついたらドアのところに伊吹君が立っていた。

今の独り言、聞こえてた…?