『バイバイ瑠璃(るり)!!』
『じゃあね美沙(みさ)!』
学校の帰り道。私、南里瑠璃(みなみさとるり)は親友と別れた後、家の目の前にある公園でぼんやりと考え事をしていた。

『四月になったら中学3年。進路も決めてないし、どうしようかなぁ…』
すると、向こうの方から美しい毛並みの白い猫がやってきました。その猫は、何かくわえてます。遠目で何なのかわからないけど…

近くによると、その猫は私の前にくわえていた獲物を置きました。
『私にプレゼントってことなのかなぁ…?よく見たらこれ、人形じゃない!まあ、ありがとw』
そうして猫とお別れをした後、家に帰り、人形を洗ってストーブの前で乾かしていました。
この人形、よくできているなぁ。
肌は人間のようにもちもちだし、小さいのに指も一本一本丁寧に作られてる。
それに整った鼻筋、さらさらのストレートのブラウンの髪、目が閉じられているからか、余計に長く見えるまつ毛…もし本当の人間だったら、一目惚れしちゃうかも…って思ってしまうくらいかっこいい。