スーーーー



「周助さん、連れて来ましたよ」




おふでさんに連れて行かれたのはさっきのお部屋より少しだけ広いところだった。


そこにはとても優しそうな人と少し怖そうな人の2人がいた。


「あぁ、通せ」

優しそうな人がそう言うと私は2人の前へ座らせられた。



「君が歳三の連れてきたと言う女子だね。私はここの道場主の近藤周助だ。そしてこいつが門下生の嶋崎 勝太」



「宜しくな」



少し怖そうな顔をした勝太と呼ばれた男は優しく私に言った。



「宜しく…お願いします」



「そう言えば君は名前が無いんだな?」



私は近藤さんの言葉に頷いた。



「そうか、なら君に名前をやろう」


「っ、本当!?」


「あぁ、そうだな…」



彼は暫く下を向いて悩むような素振りを見せると急に顔をあげた。



「雪」





「ゆき…?」




「あぁ、気に入ったか?」




「うん!すっごく!!!」



「それじゃあ雪、金をやるから宗次郎と歳三を連れて着物を買ってきなさい」



「ありがとう!!」




周助先生にお礼を言うと雪は部屋を飛び出して行った。