「お雪、これを道場にいる皆んなに渡してきてくれる?」



「任せて!!」




そう言っておふでさんが渡してくれたのは沢山の湿らせた手拭いだった。




道場へは前に一度だけ行ったことがあるが剣の稽古を見るのは初めての私。




好奇心でいっぱいだった私は次第に足が速くなっていた。




そして道場にお辞儀をしてから入った。



前に宗次郎が道場に入る時にお辞儀をしていたから真似をしているだけで何故お辞儀をするのかは分かっていない。




「周助先生!おふでさんに頼まれて手拭い持って来たよ!」




「おう、ありがとう。じゃあ皆んなにも配ってあげてくれ」




「うん!」




周助先生は私にそう言った後、道場にいる人達に休憩するよう言っていた。