「杏里~今日もここ教えて~!」
「え?あ、うん!いつもいつもいいの??私で?」
「杏里しか頼れないのよね~!」
「そっか…ありがと。うーんと、ここは……」

ども!私、間宮杏里子(まみや ありこ)!
みんなからは、「杏里」「アリス」って呼ばれてる。
今は放課後。
私の親友の山尾澪(やまお れい)。

「おぉ、なるほどー!おけおけ」
「うん、澪は覚えが早いからいいよねぇ~」
「そんなことないけど?」
「そんなことあるよ?」
「……ま、いっか、帰ろー」
「う、うん!」

いつもどーり今日の学校も終わって、帰る支度をする。
すると、澪がニヤニヤしながら

「ね、ね、あそこみてかない?」
「え、え?どこのこと?」
「あそこよ、サッカー部♪」
「ふぇ!?//////な、何でわざわざ見に行くの?」
「あいつをみにいくの~w」
「えー、いきたくないよー」

あいつというのは、同じクラスのサッカー部。
鈴木冬兎(すずき とう)
皆には「ふゆ」って呼ばれてる。
私の片思いの相手。

「はいはーい、行くよ。」
「えぇぇ、やだー」
「遠くからみてるだけじゃなにも変わんないよ。かえよーよ!」
「…少しだけだよ?」
「よし、いこ。」

いつも私は、澪に言いくるめられていくはめになる。