「じゃあテスト返すのと委員会決めるよー。」
担任の高い声が聞こえた。

どうしても学活の時間はざわざわざわざわ。

ただ委員会を決めるとなれば話は別。

毎年毎年クラス委員は誰になるんだってドキドキするんだ。


まあ、だいたいわかってるんだけど。

なんでかって??
うちらの学校では毎年学年テストでクラストップになった人がクラス委員になるんだよね。

で、うちのクラスには昨年度の学年トップが男女共いるんですよ。

まあ、公立の学校だからいろんな学力の人がいるけど、二人はずば抜けてるのよね…

先生は今年こそは満点取らせまいとテスト作るくらいなんだから…

「じゃあまず、クラス委員になる人から返すよ、女子、佐倉希菜子。」

「はーい」

やっぱりきっちゃん!!
見た目からすればそんな頭良さそうに見えないのになぁ…
なんて言っちゃいけないね。

「次、男子、藤井結生。二人よろしくね。」

「「はーい。」」

そして男子はやっぱり結生だね。

二人ならまあ問題なさそうやね。




「何点だった??」
「俺??」
「うん。」
「お前先言えよ。」
「英語100、数学100、国語95、理科100、社会100っすな…
国語の長文最後の丸つけ忘れちゃったんだよ…高得点やったんに…」
「勝ったぁ。英語98、数学100、国語100、理科100、社会100ー!!」

恐ろしい会話が耳に入って来るんですけど…

「その英語なにミスったのさ。」
「ピリオドつけ忘れた…でも、先生優しいから途中点くれたー!!」
「なんなんだよ…ミスかわんねーやん。」

ほんとほんと…似た者同士…
ってこんな点取れるのになんでそんな小さいミスを…

「でも、点は点やもーん。」
「先生のバカーっ。」
「しーーっ。聞こえちゃうだろ。」
「やべやべ。」

でも、なんだろ、二人の会話きいてると懐かしくなる感じするんだよね。

まあ、きっちゃんと結生は中学入って初めて会ったんだし、ありえないけどさ。