「春…お前、吉原って知ってるかい?」

朝ご飯をちょうど食べ終わった頃に母が聞いてきた。

「吉原?んー。細かくはわかんないけど多少は知ってるよ?」

「そうかい…」

母はそう言うと黙って作業を再開した。

え…?母さん?あたし吉原になんていかないよね?ただ聞いただけだよね?
そうに決まってる。
母さんはあたしを売ったりなんかしないよね。
絶対。