“医者の俺にできること”


それはほんの一握りしかない

そう痛感させられたのは今年の6月…


ちさちゃんに出会った日


まだ17歳の彼女には酷すぎる宣告だった


“癌”


それに


“もって八ヶ月の命”


そう告げた時の彼女の顔は今も鮮明に覚えている


今までに感じたことのない感覚だった

一人の患者に、こんな真剣になったことはない

ちさちゃんが初めて


何故か


“守りたい”


そう思った