〜 陽 side 〜



自分の記憶にいる桃はまだ幼い小学生の女の子で……まさかここまで綺麗になってるとは思ってなかった。



小さい頃から可愛いし人懐っこい性格だったからモテてはいたけど、3年近く会ってないと雰囲気が随分と変わってて、最初は分からなかった。



でも、相変わらず顔が小さく緊張するとすぐ真っ赤になる耳を見て……桃だと気づいた。



生意気に化粧して甘い香水なんてつけてるから、桃を相手に綺麗だと思ってしまった。



しかも、真っ直ぐな目で俺を見て「好き」と呟くから……



無性にムカついて、唇を塞いだ。



汚れない綺麗な目をした桃を、俺の手でどうにかしたかった。



ただそれだけ。



放課後に他の女と歩いてる俺を店の中から見てたのも知ってる。



関係をはっきり断ったり、告白をスルーしたりしても、なぜな桃は何も言ってこなかった。



まぁ、昔から女関係がだらしない俺を見てきてるから諦めがついたんだろう。