ケータイ小説 野いちご

たんぽぽ

*見つけた答え


12月に入っても、優からの週に1度の電話は続いていた。

優が大ちゃんについて触れたのはあの日だけ。

菜摘も元カノについては触れなかった。

あの日あんなに話したのが嘘みたいに、ふたりの電話はくだらない内容に戻っていた。



「もうすぐ優くん帰ってくるね。いつだっけ?」

「詳しく聞いてないけど、年末って言ってたかな」

金曜日はみんなで理緒の家にお泊まりするのが決まりになっている。

それぞれ部屋着に着替えて、何をするわけでもなくだらだらと過ごしていた。

「帰ってきたらまたみんなで遊びたいね」

大きな目を細めて、理緒がにっこりと笑う。



夏休みは2ヶ月くらいあったから冬休みも長いものだと思っていたら、年末年始を含め2週間くらいしかないらしい。

そんなに休みばっかなわけねーだろって言われたけど、それでもじゅうぶん休みばっかりだと思う。

聞いたところによると、春休みも長いらしいし。

大学行ってみようかな、と少しだけ儚い夢を見た。



「明日も電話するの?」

漫画を読みながら煙草を吸っていた由貴が顔を上げる。

「あー、うん。たぶん」

電話するの?と聞かれても、正直わからない。

するだろうけど、毎週約束しているわけじゃないし。

くるだろうけど、こない可能性もじゅうぶんにある。

「優くんってさ」

今度は、由貴と同じく漫画を読んでた麻衣子がパタンと閉じた。

「やっぱり、なっつのこと好きなんじゃないかな」

その目は、真っ直ぐ菜摘を見ていて。

いつかも言われた台詞。

菜摘がごまかしてから、みんなは特に触れないでいてくれた。



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