ケータイ小説 野いちご

たんぽぽ

*苦い過去


優と駿くんの長い夏休みが終わると、あんなに遊んでいたのが嘘みたいに暇になった。

たまに理緒たちと遊んで、休日は家にいる。

ひとつだけ変わったことがある。



《着信中 優》



毎週土曜の夜は、優から電話がくるようになったこと。



「もしもし」

『もしもーし。今日も暇なの?』

「あんたもでしょ」



優が帰る前日もみんなで遊んでいて、解散する直前、また連絡すると言われた。

また地元にきたら遊ぶんだろうなあと思っていた菜摘の携帯が鳴ったのは1週間後。

連絡するってそういうことだったんだ、と思った。

たまにメールがきて、返して。

夏休みは遊びすぎたから休日は家にいるようにしていると言ったら、毎週土曜に電話がくるようになった。



『何してんの?』

「別に何も。テレビ観てるだけ」

『お前いっつもそれだよな』

電話の向こうで優が笑う。

わかっているなら聞かないでほしい。



< 67/ 123 >