私たち、能力者は、この与えられた"力"と同等の何かを失わなければならない。


それは、


秩序であり、運命であり、決まっていること。



でも、それが

《自由》なのか《大切なもの》なのか、

なんでもいい、

私は争ってみせる。





『っ…はぁ、はぁ…(ここ、どこだろう)……』



行く当てもなく、ただただ奴らの元から逃げてきた。





走りに走ってたどり着いた場所は、ネオンが眩しい華やかなこの街。




この世界にはこんな明るいとこがあるのか……




って、そんな場合じゃない!




「おい!いたぞ!!」


すぐ近くから聞こえてきた追っての声。




『(もうこんな近くに……)』



疲労から鉛のように重くなった足をひきずるようにして、ビルの裏路地に逃げ込んだ。



が、



___________ぐいっ!!



『っ!!!』



「ったく、脱走女が。手間かけさせやがって」




後ろからおもいっきり腰まである髪の毛を引っ張りあげられた。



くそっ!捕まった。

後ろに待ち構えていたなんて…!