あれから、私は休むことなく政務をこなした。


血筋が階級を生まないように、実力ある者、澱む事のない正義感をもつ者が家柄、年齢、性別関係なく官職につけるような政策の改革。


「まだまだ納得のいかない人は多いと思う。だけど、今は変化を受け入れ、新しい道を切り開くときだから…」


この変化の先にある自由で、自分の力で生きていく…希望溢れた未来を見てほしい。


私は、執務室でヘルダルフおじちゃんと新しい政策について
語る。レインはその後ろで控えながら、時々意見をくれる。


「古株は経験こそあるが、頭が固い。納得させるのは難しいだろうな」

「そうじゃな、ただ、そこが狙い目でもあるのじゃよ」


ヘルダルフおじちゃんの言葉に、私は頷く。


「彼等の知識と経験を、次の世代に継がせる事で、師と弟という関係を気づくんですね」

「そうか、師という役割を作る事で、古株の地位もある程度は確立できるな。その弟が出世すればするほど、師の地位も上がる……ってことか」



腕を組み、頷くレインに、ヘルダルフおじちゃんは目を見開いた。


「ほう、レインは政に詳しいのう。これは、新たな人材の発見じゃな。どうじゃ、わしの弟にならんか!」


「ヘルダルフ大臣、嬉しい申し出ですが、俺は騎士です。守るべき者がおりますので」


レインはそう言って私を見て、即答した。


「レ、レイン…………」


それって、私の事!?
なんか、レインにはドキドキさせられっぱなしだな。