柚葉side


「玲央、好きだよ。」


顔がグチャグチャになる位殴り続けた玲央を止めようとして、勝手に体が動いた。


玲央に抱きついて、気づいたら告白してた。


恥ずかしかったけど、結果的に玲央は止まってくれたから良かった


んだけど、何故か総長室まで玲央に引っ張られた。


「待ってろ。」


私をベッドに座らすと、シャワーを浴びに行った玲央は5分後上半身裸で出てきた。


鍛えられた身体に、程よくついた腕の筋肉。

髪の毛から落ちた水滴が鎖骨に溜まって
何とも言えない色気。


「柚葉、怖い思いさせてすまない。」


私に頭を下げて謝る玲央。


きっと、私が人質になった事に責任を感じているんだと思う。


「頭上げて。私は大丈夫だから。」


「大丈夫じゃない。どんなに我慢しても、指先は震えてた。」


玲央は昔からそうだ。


私がどんなに感情を隠しても、すぐに見破ってしまう。


「確かに怖かったけど、玲央が居たから大丈夫。」


玲央が助けてくれるって、変な自信があった。


「でも、」


「でもじゃない。

玲央達が動けなかったのは当たり前。
あの状況じゃ、私がやらない限り不利でしょ。」


「………」


「………」


私の隣に座って、見つめたまま動かない玲央。


「なぁ柚葉。」


「なに?」


「契約、終わりにしねぇか?」


「っ……」


やっぱり、ダメだったよね。


「誤解するな柚葉。」


「誤解してないし……
さっき言ったこと忘れて?
もう会わないから。」


自分で言っといて、胸が苦しい。痛い。


ズキズキと痛む胸を押さえながら部屋を出て行こうとすれば


「最後まで話を聞け。」


パシッと腕を引っ張られて視界が暗くなった。


「きゃっ…」


玲央に抱きしめられている。


恥ずかしくて、顔が赤くなるのがわかる。