「ねーねー、絵里、猿夢って知ってる?」

この子は親友の理恵。
保育園の時から中学までずっと一緒に来た幼馴染でもある。

「何それ?」
「やっぱ知らないかぁ…都市伝説の一つなんだよー。」

正直、私は都市伝説とか占いには全くと言っていいほど興味がない。

「へぇー…。」
「気のない返事ー…。でも絵里も見るかもしれないよ?猿夢。」
「何その微妙な笑みは…。まぁ、見ないよ、そん…」
「わかんないよ!今日見るかもよ~?」

とりあえず話だけ聞いとくか。

「んで、どんなやつなの?猿夢って。」
「よくぞ聞いてくれました!猿夢はね、夢だって自覚があって駅にいるんだって。それで来た電車に乗るんだけど意味の分からないアナウンスが流れて人が死んじゃったりする夢なんだって。」
「そうなんだ。理恵は見たことある?」
「ないよぉ~。あったら怖いじゃん。」
「ふふ、見ないといいね。あ、もう家じゃん。じゃあ、明日ね。」
「うん、明日ね!」


…猿夢かぁ。