沙菜side

「行ってきます」

私がそう言葉を発すると、

「「「「「行ってらっしゃいやせ!!」」」」」

と、厳つい顔をしたおじさん達が私を送り出す。
いつもと変わらない日常。

「行ってらっしゃい、沙菜」

あぁ、もうひとつ来た。

「若様……、重いです。学校に行けません」

私の首筋に顔を埋めている遠藤組の若様……遠藤 総司(エンドウ ソウシ)様。