「私…亮の事離れてからもずっと考えてた。ずっと好きなの。」

「ごめん。誰?覚えてないわ。」

覚えてない?
ねぇ…
なんでそんな嘘つくの?

「亮、ちゃんと答えてよ…」

「本当に覚えてないから。」

覚えてないのに何で何も聞こうとしないの?
何で返事する度うつむくの?
教えてよ。
亮…

―この春

私は佐枝高校に入学した
私と亮は、小学生の頃から仲がよく、
常に一緒にいた。

中学も同じでクラスは違ったけど、
廊下ですれ違う度に目が合って…

小学生の時には感じなかった
“好き”という気持ちが
強まってきたのが中学2年の春だった。

でもそんな時、
親の仕事の都合で
私は転校することになったのだ。

亮と離れるのが嫌で
落ち込んでいた私に彼は
“またなっ”と言い笑った。

その一言が嬉しくて、

忘れられなくて、

想い続けてきた今日まで…

なのに何で?



辛いよ。