森田当麻の奇妙事件簿「第1話」

序章

雪の降る寒い夜のことだった。

朝から灰色の分厚い雲が空を覆い、雪がやむことなく降り続けていた。

時刻は夜中の1時を回っている。

少年はなぜか眠れなかった。

異様な緊迫感。動悸がする。

少年は胸を押さえた。

苦しい。苦しい。辛い。

吐き気がする。

少年は布団を出ると洗面所に向かった。

心臓がばくばくと音をたてる。

頭が痛い。耳鳴りがする。

頭を抱えたその時だった。

耳のずっとずっと奥で聞こえた。

両親の切り裂くような悲鳴。

「うわ……。うわあああああ」

少年の意識はその場で飛んでいった。