私が東京に行ってから2年。




私は、祐の約束通り、1度も会いに行かなかった。





祐は必ず迎えに来てくれるって、そう信じてたから。





「お母さん、仕事遅れるから早くして〜」





そうやって玄関から私を呼ぶのは、4歳になった舞音。




咲華も舞音も、撮影が多すぎて送り迎えをする私の身はとんどん削られていく気がした。






「まぁま、だっこ…」





悲しそうな顔で私の足に捕まってるのは、三女の芽依(メイ)。





私が東京に行ってったとき、祐に抱かれて、その時にできた子供だと思う。





それにしても、我が家は女の子しかいないんだよなぁ。





つぎは、男の子を産みたいな〜。





って、次ってあるのかな?




まあ、私…まだ21歳だからいいよね⁇





「抱っこちて?」





クリクリの大きな目で私を見上げる芽依。





「芽依、ばあばと留守番しててね?」




「や!芽依もいくー!」




駄々をこねる芽依。




まぁ、どうせ車に座らせておくだけだし、いいよね。





結局、芽依も一緒に咲華と舞音のスタジオまでやってきた。





「芽依、おいで」





咲華と舞音をちゃんとスタジオまで送らないといけないから、芽依を抱えて三階のスタジオまで行った。






「それじゃあ、よろしくおねがいします〜。杉ちゃん、帰りよろしくね?」





「おう。任せとけ!」





ガッツポーズをする杉ちゃん。





杉ちゃんは、咲華と舞音と芽依にメロメロで、とうとう沖縄で本格的に仕事を始めてしまった。





たまに、東京にも行くけどね。






私は一回 家に帰り、家事を全部済ませた。





お母さんにやってもらってばっかじゃ悪いしね。