「え~、ショック!海司と違うクラスになっちゃったー」


3年生の校舎の廊下に張り出された名簿を見ながら、花音が残念そうな顔をしてしょげている。


「1組と3組なら同じ階だしさ、会おうと思えばすぐに会えるじゃん。

それに家も隣同士なんだし、毎日一緒に登下校だってするんだし。

そんなに寂しくないだろ?」


「それはそうだけど……」


「そんな顔しないー。今日から俺も部活に出るからさ。

早く教室行け。また後でな」


「うん、後で迎えに来てね」


「おう」


花音に手を振って、1組の教室に入る。


初めての教室、新しいクラスメイト。


1年の時に同じクラスだったヤツや、2年の時に同じクラスだったヤツも数名いるようだ。


ま、なんとかやっていけるだろう。


そんなことを思いながら、指定されている自分の席に座ると。


「立花君!」


誰かに呼び止められた。


「退院おめでとう!今日から学校に来られるんだね」


俺を呼び止めたのは、花音の親友の佐久間だった。