「組長、これ轟の情報です」


一枚の紙を渡すと、それを見た組長は眉を顰める。


「ふむ。まさかあやつが関わっているとはな」


「ええ。私もそれには驚きました。いつものことですが、今回は麗には絶対にバレないようにしないといけない」


玲也は鋭いから、もう気付き始めてるだろう。


それでも、麗だけには気づかせてはいけない。


特に今回の敵、轟のことは…。


「そうだな。そのためにも、2人には家には帰ってくるなと言ってるんだ」


全国までいくと、組を潰そうとする輩が増えてくる。


そうなると、私たち子どもは人質にはうってつけの存在。


私は若頭だから大丈夫だけど、2人はそうじゃないから。


例え族の幹部でも、組に適うわけがない。


だから組が動く時は2人には家に近寄らせない。


それは危ないからということもあるけど、それ以外にも理由がある。