~鷹見side~
ずっと気になっていた。
ノートはきちんと取るし、先生の評価も高い。クラスメイトにも人気で以外とモテる。だけど、誰にも本当の自分を見せていない気がする。
まぁ、女子には少なからず自分をよく見せようとするが、空羽はそれとは違う気がしていた。

苦しいことも一人で何とかしようとするタイプ。

自分の本当の姿を見せるのが苦手でなおかつ、自分の思っていることや考えを言葉にするのに時間がかかる。

俺は、ずっとどうにかしてやりたいと思っていた。いつか、あいつがつまずいた時手を握って一人じゃないことを教えたかった。だから、あいつがつまずいって聞いたとき、絶対決めた。助けると。

まぁ、下心もあった。

みんなタメ口で話すなか、あいつはずっと敬語だったし、先生って呼ぶのもあいつだけだった。いつもあいつの敬語を聞くたびドキドキした。
目が悪いあいつは席がいつも前だった。
授業中ノートを必死にとりながら、俺のはなしの小さなことまでメモったり、余談の時はずっと俺の目を見たり。

あいつの何気ない行動の一つ一つが俺の調子を崩していく。
昨日だっていつもの俺でいくつもりだった。ある程度距離を詰めてから本当の俺で落としにいくつもりだった。
けど、久し振りにあいつに会って正直欲情した。

そんなあいつと授業の開始だ。