ふと静かになって、三芳くんの方を見ると、近付く顔。
今から逃げるのは不自然で、顔を止めた。

唇を重ねるのは苦手だった。

「三芳くん、これ……」

「え? また入ってたの?」

驚いた顔で三芳くんはあたしの持った手紙を見て、顔を顰めた。

「うん。バイトが無い日って忙しい? 一緒に帰れる?」

「ごめん、他の日は違うバイト入れてるんだ」

「そっか」

働き者だ。そんなに稼いで何を買いたいのだろう。

学校からはアキと一緒に帰ろうっと。
緊急事態なので仕方がない、と頭の中で考える。





「今回は怒らないの? あたしの為にバイト辞められないの!? って」

「堂本さんそんなこと言ったりするの?」