「私図書室で今、"眠り姫"見ちゃった!」


「マジで!?俺も昨日理科室で"眠り姫"みたぜ!」


青華高校には、"眠り姫"と呼ばれる一人の女の子がいる。


"女"ではなく"女の子"のほうが似合う。


コゲ茶の髪に長い睫毛、ピンクのプルプルした唇。


この学校の生徒なのに…………


誰も彼女の素性を知る者は居ない。



だが、眠り姫を見た者は必ず言う


ーー完璧すぎて近づけない。


それは彼女の整い過ぎた容姿のことを言うのか……


あるいは、彼女の纏う雰囲気の事を言うのか………





それは見た者にしか分からない。