キーンコーンカーンコーン



雪菜は携帯を出し、時間を確認する。
時間を見て、雪菜は目を見開く。

「トットッ、トリ!!もう11時だよ!!
二時間近くここにいたっぽい!!早く教室戻ろう?」


戻ろう、というのはいいが、帰る道順も雪菜はあまり覚えていなかったりする。
雪菜は羽鳥の袖を”行こう”という意で引っ張る。

「お前…迷子になったのはお前なんだからな?
ほら、早く行くぞ、来い。」






やれやれ、羽鳥は悪態を付きながら
また迷わないように、と雪菜の腕をぶっきらぼうに引く。その動作のぶっきらぼうさと反して、雪菜の腕を握る手はあったかかった。