ヂリリリリリリ

激しい目覚ましの音に
手探りでスイッチを止める


耳元のスマホで時刻を見て溜め息をつく

朝に弱い私はここから起きるまでの時間が
長い



「茜ー!!早く起きなさい!」


お母さんの声でとうとうベッドから
起き上がる


身支度を済ませ食卓につく


お母さんは慌ただしく目の前に
トーストと目玉焼きを置いた

いつも朝食は大好きな目玉焼きが出る


「ほんっとに、アンタはだらしないわね!
毎日お母さん声かけるの疲れるわぁ」

「だってー、朝弱いんだもん」


「茜、スカート短くないか?もっと伸ばしなさい。」


「もー、皆と同じ長さだよ!お父さんの時とは違うの!」


いつものようにお父さんの忠告を
聞き流しトーストにかじりつく


こんな騒がしい朝が家の朝の日常だ





ピンポーン


玄関のチャイムがなる



「あ!湊ちゃん来ちゃったわよ!」


お母さんは玄関へ走っていった



「やばいっ!」


私は急いでオレンジジュースでトーストを
流し込みカバンを持った



「茜、挨拶は?」

「あ、おとーさん、行ってきまーす!」


廊下を滑りそうになりながら走っていくと


「おはよう、茜」

「おはよ!湊くんっ」


玄関に立つのは制服を綺麗に着こなし
寝癖一つなく、爽やかに笑顔をむける
1つ年上の幼なじみ、蒼生湊太(アオイソウタ)


「いつも、悪いわね湊ちゃん」

「いえ、僕も独りで通うのも寂しいし
茜は妹みたいなものですから」


お母さんは嬉しそうに湊と話す


「じゃ、行ってくるね!おかーさん!」

「はいはい、行ってらっしゃい」