「…こっち。むいて。」

やわらかな囁き。
その声は何もかもを麻痺させる。

大きく温かい両の手は私の頬に触れ、肩へと降りる。
力が入らず、引き寄せられるがままに声の持ち主へ身体を預ける。

目が自然と閉じ、少し間を置いてキスをした。深く、長い、大人のキス。

「…んっ……ん」

吐息が漏れる。
舌が絡み合う。

二人は顔を合わせ
抱き合った。