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「此処が、俺の家だ!」
自慢気に此方を見ながら微笑む。
目の前には、所々がひび割れ蜘蛛の巣がはられたお化け屋敷…にしか見えない家

この一件の家の近くには、巨大な木々達が集っている。
人の気配はなく、まるで世界から切り離された別次元みたいな感じがする

「なんだ?気に入らないのか」
子供のように困った顔をして聞いてくる
さっきの冷たい雰囲気とは大違いで今は大きな子供のように見える

「違うの…見ず知らずの私にどうしてここまで親切にしてくれるのかが気になって」
「テメーみたいな餓鬼がそんなこと考えてんじゃねぇ」

「さっきから、餓鬼餓鬼って!私今年で16歳だよ!名前だって聖愛っていうちゃんとした名前があるんだから」

先程まで弱り切っていた私が少し強い口調で言い返すと何故かきょとんとした顔から一変して微笑んできた。
その顔に少しドキッとしたのは秘密…

「ちゃんと、感情あんじゃねーか。さっき死にそうになってた聖愛とは大違いだな」
「いま名前…」
「名前呼びはまずかったか?」
「違う…貴方の御名前は何てゆーの?」

長くとも短くとも思える時間俯いて少し考えるような顔をする。
そして、何やら思いついたように顔を上げ答える

「…俺の名前は゛朔夜゛だ」