翼side


私はこの日、退院することができた。


病院を出たあと、久しぶりに2人でデートに行くことに。



こうして慧と一緒にいることがすごく幸せだった。



もう一生2人で生きていく、

そう心に決めた。



「次、どこに行きたい?」

「うーん…」


信号待ちをしながら、

軽く雑談していた。



すると、いきなり強い風が吹いた。

その時、


「私はまだ許してない…」


「きゃ!」


強い力で背中を押された。

その勢いで、道路まで押し出された。


「翼っ!」



声が聞こえた時にはもう遅かった。


キキーッ!



ガタンッ




うそ…でしょ……




「慧っ!!!」





すぐに駆け寄った。


「慧!起きて!」


全く動かない。


そんな…


「嫌だ…死んじゃだめっ……!」



お願い…だから…

目を開けて………。



「私の…傍にいるって……約束した、のに…」


いやだ…こんなの、絶対に…………


「いやぁぁあああ!!!!」