「あ、そっちの垂れ幕出来そう?!」


「はい!何とか大丈夫です!」


あれから、実行委員の仕事に追われ夏目くんとは話していない。


そもそも、夏目くんを避けてしまっていた。


同じ作業になりそうな時は、苦しい言い訳で別の作業をさせてもらったりしていた。


今は1人で団旗を運んでいる最中。


「中村さん大丈夫?一緒に運ぼうか?」


と、心配した小林くんが声をかけてくれたのだけど、他にも作業が残っていたからそっちに回ってもらった。


だけど、これはちょっとしんどいかもと後悔した。


一度は断ったのだから、小林くんに手伝って欲しいなんて言えない。


「よいしょっと……」