「そんな感じかな。蒼太は」



「ふぅん…」


直樹の機嫌が少しだけ戻る。あたしも小さく息を吐いて落ち着いた。




「ほら、出来たぜ」


「これがあたし…??」


「可愛いだろ?」


「…」



また、顔が熱くなってしまった。


直樹のことは出会ってすぐに、好きになったのだと思う。

蒼太に対しての思いがなくなったわけではない。




きっとお兄ちゃんみたいな気持ちに変わりつつあるのだろう。




「ほら、行こう」



みつあみで結われていて、毛先が少しだけ巻いてある。




緩めの真っ白なワンピースを着て、上着を羽織る。





「マジで…不安だわ」


「え?」



「可愛すぎんだよ」




そう言って、直樹の唇が首筋に触れて一瞬痛みを感じた。