こけっ…

転んで膝を擦り剥く。


「痛ぁぁぁぁい〜」


エンエンと泣きだす私に手を差し出す。


「ほらっ、サクラ!

泣かないで!

僕が守ってあげゆから!」


「本当…?

雄大、じゅっと側にいてくえるの…?」


「うん!

じゅーっと一緒!」――――









チュンチュン…

鳥の鳴き声と眩しい光で目が覚める。


「眠っ……」


寝ぼけながら今日見た夢を思い出す。

雄大と私が幼稚園だった頃の記憶。

泣き虫な私をずっと励ましてくれていた。


「懐かしいなぁ…」


ベットにパフン!と横になる。

部屋には私の小さい頃の写真が飾ってある。

その隣には…


「ワゥン!!!」


「ぐぅえ!」



お腹にポチがダイブしてくる。

一気に目が覚めた。



「ポチ…もうちょっと優しく起こして…」



サクラはようやく起きだしたのだった。