〈感激です!!〉
〈本当に久々に総長の声聞いて嬉しいっスよ……ううっ〉
「わかったから、喜ぶか泣くかどっちかにしろ」
かれこれ同じやり取りを何回しただろう
アネキが診察を理由に来たのは俺にスマホを渡す為だったが忘れてたので翌日、改めて光さんから受け取った
『義父さんと義母さん、手を取り合って喜んでたよ』
それだけ言って、仕事場に向かったのだった
……なんだか下っ端達の活性ある声が聞きたい
そんな理由で今は偶然開いていた屋上にいる
まさかの第一声が耳に頭に響く程の歓喜極まった声だとは思わなかったが……
〈総長! 明日、いつ退院できるんですか?〉
「ん? 確か…昼頃だな」
〈わかりました! 真っ直ぐに倉庫に来てくださいね!〉
「あぁ」
通話越しにガタガタと何かを運ぶ音が聞こえてきた
……明日になればわかるか
気にはなったが口には出さずに通話を切った