「「「……」」」
学校の屋上で緋麻里がかけた何度目かの着信に翼が出た
事情を知って病院にいると聞き、俺達は声を揃えて見送った
その後は倉庫に向かい、現在、幹部室は緊迫感が漂っている
スマホの画面とにらめっこをしている緋麻里
読書をしているが時折、緋麻里を見ている塁
そんな塁をチラチラ見ている翡麻里
……まぁ、内心穏やかではいられへんよな
俺も若干ソワソワしている
けれど、三人よりは平静であるつもりだ
理由は、翼の事もあるがそれ以前に三人には深い事情があるのを知ったから
「……翡麻里、塁と話さへんのか?」
近くにいる翡麻里にコッソリと話しかけた
「え、今はいいよぉ……」
「暫く、席を外しでも緋麻里には気づかへんよ。 俺に任しとき」
塁と緋麻里に気づかれないように小声で話し合った
「……」
翡麻里は暫く悩む素振りを見せたが、グッと手を握りしめて立ち上がった