――俺は一体何を信じればいいんだ


前なら皆と過ごす日々が充実していたハズだ


なのに、


"どこから崩れ始めたんだろう"


俺にはわからない


否、それを言い訳に本当は分かっていたハズだ


本当は……










ガチャッ


屋上のドアが開く音に身体が跳ねる


11月に入って雛菊はどこかの空き教室に拠点を移した


理由はただ寒くなってきたから


実はと言うと俺はあんな所にいたくなかった


最近は皆と距離を置いている


大河、翔太…保にも


まどかに対しては疑心は確信に変わった


信用できないって事に


「……段々寒くなってきたねー」


俺の隣に立った人物の言動と態度が以前とは全然違う


これまでの印象が大きく変わった


「俺…[舜]がわかんないんだけど」


「そう?」


舜はニコーッと笑ってホットの缶コーヒーを渡してきた