――11月初日


この月には行事といえる日がある


「テスト勉強、もう疲れたよー!」


ペンを置き、翡麻里が机に伏せた


「ほらほら、ここ違うよ? こっちは単語ミスしてる」


「うー…」


塁は教科書を片手に一つ一つ教えていた


分かりやすいんだけど、さっきから同じ所を繰り返している気がする


二人が英語をしているのに対して、


「颯一、この問題にその公式は使わない」


「なんやてっ!?」


颯一は星夜に数学を教わっていた


「数学訳わからへん! ややこしすぎるわ!」


「うるさい。 騒ぐ暇あったら手動かせ」


星夜の手厳しい指導が行われていた


問題に四苦八苦している二人に対して、私と緋麻里は、


「三人は覚えいいわね」


「今回は高得点狙えるんじゃないですか?」


奏汰達に勉強を教える側となっていた


和んだ空気が周辺を流れている