「みなみちゃん。ごめんねー。」慌ててもどると・・・。

「実緒おねいちゃんどこ行ってたの?」と声がした。

この子は山中 さきちゃん(6歳)重度の糖尿病のため入院中。

「ごめんねー。今日はなにしよっか?」

「折り紙しようよー。鶴の折り方教えてー」

「うん。いいよー。健太君も一緒にやろうよー」

「おれは、いい。本でも読んでるから」と大好きな恐竜図鑑をもちだした。

ウサちゃんルーム、ここは小児病棟に入院している子たちが遊びに来れる唯一の場所。

私と宮川 みなみちゃんはここで保育士として、この子達と過ごしている。

そこへ、麗先生がにっこり微笑んではいってきた。

「みんな、こんにちはー。今日はプレゼントをたくさん持ってきたわよー」

「わーすごーい!!このくまさんのぬいぐるみ可愛いー!!」

「すげー!!恐竜がいっぱいだー!!」

他にもたくさんのおもちゃに子供たちは大騒ぎだ。

「麗先生、こんな高価なおもちゃばかり困ります」

「なにいってんのよ!私の勝手でしょう!!子供たちが喜んでいるんだから文句いわれたくないわ!!」

「でも、原先生の許可なしでは受け取れません」

「なによ!私だってこの病院の医師です。あなたたちにとやかく言われたくないわ!」

そう言うと部屋を出ていった。

「れい先生、きれいだしカッコいいねー大好きー」と子供たち。

それからも、時々きては、子供たちにプレゼントを置いていった。