俺の膝の上で、実緒はゆっくりと眼を開ける。

・・・・・・・・・・・。

「あれ?私・・・・。」

「えっと・・。原先生に・・・・。」

実緒はゆっくりと俺の顔を見る。

「なんでお兄ちゃん先生の膝の上にいるの?・・・。って・・・春兄?!」

「どうなってるの!!それに、原先生も春兄もなんか老けてない?!」

「ここって・・・。えーわけわかんない!!」

実緒はパニック状態だった。

「初めまして。僕は精神科医の白石です。実緒ちゃんは、本当は今20歳です。」

「でも、病気で4歳の頃まで戻ってしまっていたんです。だから、僕の治療で少しずつ記憶を蘇らせています。」

「だから、記憶は多分14歳ぐらいだと思うのですが・・・。」

「これからも、少しずつ記憶がはっきりとしてきて、最後は本来の自分にまで戻ることができますよ。」

白石先生は、そう言うと原先生と共に病室を出ていく。