俺の名前は三条 春斗。三条総合病院の医師である。

俺には、密かに思いを募らせている子がいる。

名前は桜 実緒(20)

実緒は、俺の患者でもあり幼なじみだ。

しかし、彼女の相手は俺ではなく、弟の和也だ・・。

俺はもう32歳、実緒とは一回りも年の差があり、告白も出来ずに今ではいいお兄ちゃんを演じている。

今日は、実緒の検診日そろそろここへやってくる頃だが・・・。

パタパタパタ・・・。

ガラガラー・・・。

「ごめんなさーい!!春兄遅くなっちゃたー・・。ハアーハアー・・」

診察室に慌てて駆け込んでくると、目の前の椅子にちょこんと座る。

「ここは病院だぞー。もう少し静かに入ってこれないのか?」とため息まじりにクスリと笑う。

「とりあえず、そこに横になって、呼吸を整えてね・・。」

「うん。でも、何で横になるの?」

のそのそとベットに横になるとまずは、血圧測定をする。でもいつもなら座ったままのはず・・・。

「ハ~・・。相変わらず低いな。倒れないように気を付けるんだよ。それから今日は血液検査するっていっただろ」

「えー!!そうだっけ?痛いの嫌い!!」

慌てて起き上がろうとするが、その時にはしっかり春兄に抑えられて動けない・・。ドタバタしてると

「終わったよ」と体が解放された。