「お願い!お父さん!お母さん!!」

パンッと下げた頭より上の方で手を合わせている"私"の"妹"

"父"は、どうしたんだと言ったような顔で読んでいた新聞から顔を上げた。

「あのね!私の一番の友達が、家がなくて困ってるの!居候させてあげて!!」

そう発言した妹は玄関のドアを開けた。

「お、おじゃま、します…。」

おずおずと、妹に誘導されながら家へ入ってきたのは。

淡い栗色の髪を綺麗に、結った、可愛らしい女の子だった。

父はその女の子をじっと見たあと、一言言った。

「…おかえり。」

母は、にこやかに笑いながら、用意してあったかのようにティーカップに紅茶を注いだ。

"私"は、妹、みやびに連れてこられたその女の子を見たときから、
そわそわと落ち着かない気持ちにかられていた。

ぎゅっと、スカートの裾を握る

"私"

咲山 慎 (サキヤマ マコト)

18歳

性別……男