次の日、華蓮は道場に来ていた





そして目の前にいるのは無口な三番隊組長、斎藤一






たしか、歴史上でも斎藤が左利きであったというのは有名だった






───昨日二人が話していたのは斎藤さんのことだったのか!!





華蓮はやっと話が掴めたのであった






久しぶりに握る竹刀






空手をやり始めてからも、時々兄の拓哉にこうして相手をしてもらっていたのを思い出した





「湊上、突然で申し訳ないが、お前がどのくらいできるのか見たい
一度手合わせできないか?」





「え、誰とですか?」





突然の話に驚いた────それだけでなく





「無論、俺とだ」






「はい?、え?」





沖田総司と同じくらいの腕前だったと言われる斎藤と自分が試合!?





冗談じゃない、と言いたかった





しかし、土方と自分の決意との約束の手前、逃げ出すわけにはいかない





「心配無用、怪我はさせない」





それって、倒す気満々じゃないですか、と内心ツッコミそうになるのを抑えた