ケータイ小説 野いちご

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青空の下月夜に舞う

日常、非日常

下を見つめ、「お」と声を落とすと、警戒な足取りで屋上を後にした祐也を見送る。


何やら考え事をしている様なセナが、祐也の足音が聞こえなくなると、ゆっくり私を見て。



「麻衣が普通の生活を送りたいなら。上田慶太郎と、松下響には気を付けた方がいい。出来る事なら。あまり関わらない方が」

「……セナ?さっきからわたし頭が」

「おいおい分かる。祐也くんでもヤバイけど、平然としてられるのは、逃げ道が沢山あるから」

「おいてけぼりもいいとこで……」

「今、上田慶太郎の家なんでしょ?」

「うん……」


セナは、何かを知ってる様な言い方をするのに、訳を話してくれない。


「私も噂でしか知らないし、上田慶太郎と喋った事ないけど」


でも、真剣に話す姿に、腰を折っちゃいけないと、思いながら聞いていた。



けど。


「私、塾の帰りに見たんだよ。上田慶太郎が血見て笑ってたの」



セナは、嘘なんて吐かない。
高校からしか知らないけど、こんなに真剣で、少し怯えた姿を見たことがなかったから。

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