"丑三つ時"
それは草木も寝静まる時間帯だという。
彼女は膝下の黒いドレスに身を包み、鞘から抜いた刀を手に歩いている。
軽快に靴音を鳴らしながら、目的地に向かう。
カツンカツ・・・
彼女は歩みを止め、ニィッと口角を上げる。
「こんばんわっ」
彼女は集団に向けて挨拶を言った。
「誰だ貴様はっ!!」
一人が叫ぶと次々と彼女に向けられる拳銃。
だが、彼女は笑い声を口から漏らしたのだ。
「私は"闇姫"です。 貴方方を殺しにきました」
その名は裏社会で恐れられる存在だ。
「闇…姫!?」
「う、撃てっ!!」
明らかに動揺が見え隠れしている状態で男たちは銃を発砲する。
「クスッ」
彼女は余裕綽々と銃の弾をヒラリとかわした。
その光景はまるでダンスを踊っているようだ。
そして、同時に刀の刃先を男たちに向けて走り出した。