「虎~、買い物よろしく」
「はいっ!」
虎が下僕として組織に入って早一ヶ月が経った。
その位経てば見慣れた光景になりかけていた。
ただ、俺には気がかりがあった。
買い物から帰ってきた虎に聞いてみる。
「お前、日に日に活き活きしているな」
遣えていた所が潰され、組織に下僕として入れられたんだ。
恨みくらいあるはずだ。
その事を話すと虎は、
「魚住組は俺を道具としか見てなかったんすよ。 だから、いつか抜け出そうと思ってたんす。
対してここは俺を人として接してくれる、だから恨みはしません」
はにかんだような笑みを浮かばれては納得するしかない。
「……そうか」
俺は虎にコーヒーを頼んでから自室に戻った。
ガチャッ
「……水亜、その格好はどうかしているぞ」
自室のベッドに腰掛けている水亜の服装は、シャツ一枚だ。