ひやりと冷たい床に体の熱を奪われ花池栞(はないけしおり)は目を開けた。

真っ白な岩壁、何の変哲もないコンクリートの床、重く錆び付いたドア、そして部屋の中央には引き出し付きの小さな机。

ーーまた同じ部屋。これで何度目だろう。ここでもまた一人死ぬというのか。