昼休みになると、彼は決まって教室にいなかった。
私は、彼のことを気になりだしてからそれに気づいた。

あとをつけてみると、LHRの進路の話の時にしか使わない進路室に入る彼。

鍵をポケットから取り出して当たり前のように進路室に入る姿を見たとき、完全に私の頭は「???」だ。
だって彼は天才王子、優等生。


でも、気づいた。
彼が昼休み進路室で一人でいる時が告白のチャンスだと。


そして、現在に至る。


彼───宮崎 伊織、伊織くんは私の告白には全く動じなかった。


とりあえず、私は想いを伝えるだけでいいのだ。
もう恥ずかしくて爆発しそう。

逃げようと思った瞬間。


「ああ、そういうことね。」


と、伊織くんがやっと口を開いたかと思えば、その次の瞬間には、私の想像を遥かに超えた出来事が起きた。