ケータイ小説 野いちご

ユキの果て

ユキの果て





スノードロップ。

雪が降るくらい寒い冬の中に咲く純白の花。

〝大雪の花〟とも〝待雪草〟とも呼ばれるこの花の花言葉は〝希望〟。









────まるで、ユキみたいだと思った。

あたしの希望だった彼みたいだと。








花屋の前であたし、黒沢 結晶(くろさわ ゆあ)は立ち止まって動けなくて。

約1年前に別れた白石 有希(しらいし ゆき)との思い出が心に積もっていく。



どうして気づかなかったんだろう。

未練は雪が溶けるように消えたけど、その雪はこの季節になればまた降り始めるのに。























初雪の降った、冬のある日。



あたしは過去に囚われた。







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