高校に入り、わたしは二度目の春を迎えていた。



「今年の春も遅咲きだったなぁ」



学校の途中に見上げた桜はまだちらほらと蕾が見えていて。


これからも綺麗な桜を咲かせることが予想される。



わたしの新しいクラスは一組。


ちなみに一年のときは三組だった。


校門をくぐって校内に入る。


時間帯が早いせいか人は少なかった。


まだ慣れない下駄箱でくつを履き替えて新しい教室に向かう。


教室にもまだ人はいなくて、わたしは自分の席に座って本を読み始めた。


時間につれて増えていく人。



そして………



「「「きゃーーーっ!!!」」」




……今日もきた。



「本当、毎日毎日飽きないよね……」



ため息をこぼしながら外を見ると、もうすでに見慣れてしまった光景が。


つまりは、大勢の女の子に囲まれている男子が二人。


一人は一ノ宮 恭(いちのみや きょう)、もう一人は枢 カイン(くるる かいん)。


どちらも十人中十人が振り返って二度見してしまうぐらいのイケメンである。



一ノ宮 恭


アッシュ系のサラサラの髪に濃いブラウンの瞳。


切れ長のクールな目に性格までクール。


わたしに言わせれば無愛想の方があってると思うけど。


枢 カイン


アイボリー色の柔らかそうな髪と濃いグレーの瞳。


外国の血が入った甘いマスクと紳士的な性格から一部では「王子」と呼ばれているとか。