“お兄ちゃんへ 小説ありがとう。” やはり日和にはこの事が引っかかっていた。 兄に小説を貸して欲しいとは言ったが、かなり前の話━━━… それに、この小説は前に一度借りたはず…… 気にしないようにはしていたが、どうしても気にせずにはいられない日和。 “お兄ちゃんへ あのCD返してね” なんて返ってくるだろうか… 日和は賭けに出た。 もちろんお兄ちゃんにCDなんて貸してはいない。 ただ… .